「冗談だよ、これから先も今まで通り友達でいてな?」
「へ?てんちゃんがそれで良いならアタシは別に……」
しどろもどろに答えるあたしに、てんちゃんは優しく微笑む。
「なら決まり」
そう言って穏やかに微笑むてんちゃんを、あたしは初めて見た気がする。
……てんちゃんはいつの間にかあたしより随分、『大人』に近づいていたのかな。
「佐賀里なら家に置いて来ちゃったし……多分まだ俺の家じゃね?」
「てんちゃんの家!?」
あたしは驚きのあまり、声を荒げてしまった。
「じゃあ俺帰るから。またな姫瑚」
「っえ!?ちょ……‼」
さっさと帰って行ったてんちゃん。
ポツリ公園に独り残されたあたし。
「なっ……」
何で琥侑がてんちゃんの家に居て、てんちゃんがあたしに会いに来たわけ?
普通逆じゃんか。
しかも、てんちゃん告ってきたんだよ?
琥侑は、それを知ってててんちゃんを行かせたの?
……冷静になり、だんだん琥侑にムカついてきたあたし。
全然意味わかんない‼
苛立ちなりながら、琥侑を呼び出す為にメールを送った。


