「くそ、だから言いたくなかったんだよ」
「え?なに琥侑ちゃん照れてんの?照れてんのー?」
琥侑の周りをなっちゃんは楽しそうにピョンピョコ跳びはねる。
「ナツ、黙れ」
「ぎゃっ‼」
苛立った琥侑はなっちゃんのちょんまげを掴み、動きを封じた。
琥侑……
何だか今日……すごく怖いデス……。
はーっと深く溜息を吐き、琥侑は一言。
「とりあえず俺もう帰りたい。疲れた」
そう言った琥侑は心なしかやつれていて、本当にお疲れモード。
「え、どうするの?これ」
ゆっちは“これ”扱いしたことを悪びれる風でもなく、思い切りてんちゃんを指差す。
「そーいえば、てんちゃんってヒメちゃんの近所なんだよね?」
相変わらず爽やかに笑顔を決める、謎だらけのがっくん。


