「え?」


あたしが首を傾げると、男子はチッと舌打ちをして苛立った表情をする。



「だから“ありがとう”じゃなくて“ありがとうございました”だろ?」


「は……!?」


「拾ってもらって助かったんだろ?普通は敬語だろ」



なに変なとこ気にしてんのコイツ‼

謝ったんだし、いいじゃん!



「しかもなにお前……。

拾ってもらった奴が偉そうに“は……!?”とか言ってんじゃねぇよ‼」



急にキレだしたコイツに、あたしもイラッときた。



「バッカじゃないの?偉そうに言ってんのはアンタでしょ!?」


「それが拾ってもらった奴の言う事かよ!?」



図星をつかれ、あたしは口をつぐむ。



「確かに……そうだけど……」



顔を歪めると、そいつは涼しげに鼻で笑った。