だから、お前はほっとけねぇんだよ


彼女のほうがくるんとした目で、琥侑を見ながら言った。


……何やらこの子、琥侑に興味がある様子。

やっぱ彼氏いても、琥侑の格好良さには見入っちゃうものがあるみたい。



「申し訳ございません。当店はお持ち帰りのみになっておりますので……」



見たことも無いような笑顔と柔らかい声色の琥侑。


そんな琥侑に、あたしと彼女はポポッと頬を紅潮させる。

か、かっこいい……



っていうか、


「ここって食べれるんじゃ……」



ボソッとそう言ったアタシを見た琥侑の眼は、さっきと打って変わって鋭く冷たい。

その変貌ぶりに、あたしはカチコーンとフリーズした。




「そうですかー。じゃあ……」



……ご機嫌の彼女はフルーツタルトとマロンケーキを頼み、彼氏と仲良く帰って行った。