ええ‼
もうそんな時間なの!?
「いっ、今行く!」
トイレの外にもちゃんと届くように、あたしは大声でそう伝えた。
「……わかった」
そう一言言う琥侑。
同時に、コツコツという足音が聞こえてきて、それはだんだん遠ざかっていく。
あたしはパパッと着替えを済ませ、トイレのドアを開けた。
……どうやら開店時間には間に合ったみたい。
ホッと胸を撫で下ろし、琥侑のいるカウンターへ向かう。
「今日、人少ないかもな」
「へ……?」
琥侑の独り言のような一言を聞き、あたしは首を傾げた。
……何で?
そんなあたしを、琥侑はチラッと横目で見る。
「ほら」


