「んー?なぁに?」
あたしは微笑みながら、てんちゃんの方を向く。
「姫瑚に聞きたい事があるんだけど……」
そう言ったてんちゃんの顔はいつになく、真剣。
あたしはその表情で、これからてんちゃんは大事なことを話すんだと悟った。
「……何?言ってみて」
あたしも真剣に聞いた。
「姫瑚は…………
佐賀里が好きなのか?」
――ドクンッ
心臓が重たい音をたてて、あたしに痛みを伝える。
「そ、それは……その……」
こんなことをてんちゃんに言って良いものか分からず、あたしは戸惑いを隠せない。
そしてふと、昼間の琥侑の言葉を思い出す。
『アイツがお前の事好きだってさ』
あの時は絶対に冗談だって思ってたけど……
もしかして本当だった、てこと?


