「おい」
低い声と共に、ぐらりと視点がゆれる。
「……っ!?」
腕を引っ張ってきたのは、
……琥侑。
「っぁわ……」
強く引っ張られたせいで、後頭部が彼の胸にバッチリあたっている。
は、肌に直にあたって……
ちょ……て、照れるしっ……
……なんてのん気に想いに浸るあたしをよそに、てんちゃんが声を荒げた。
「なにしてんだよ‼姫瑚は調子悪いんだぞ!?」
「あ?ヒメが大丈夫っつってんだろ。
あ、でもそんな頭揺らしたら大丈夫じゃねーよな?」
「……な」
てんちゃんは“やられた”というように顔をしかめ、言葉を詰まらせた。
……さすが琥侑。
お喋りなてんちゃんをすぐ黙らせちゃったよ。


