それに気がついてヘリオトロープも止まった。
その露店を覗き込んで私の方を振り返る。
「護り石の店か。意外だな。お前は縁がないものには特別興味が無さそうに見える」
私はそれを聞いて苦笑した。
「やっぱりそう見えるんだね・・・でも、今日はなんとなく、いいかなって思って」
ぼんやりとした言葉だったけれど、ヘリオトロープは納得したようだった。
「わからなくもない。こんな非日常的な日にはな・・・皆同じ気持ちだろう」
「私の今日を非日常にしたのはきみで、しょ・・・」
あはは、と笑いかけて顔が強ばった。
そうだ、今日は、ヘリオトロープが来ていなかったとしても、今日は普通の日ではない―――
唐突にあの仮面が思い出されて、体をぶるりと震わせた。
そうだ、初めての外界に浮かれていたけれど、私にはあとどのくらいの時間が残されているのだろう・・・?
「どうかしたか」
「・・・なんでもない」
こんな時ばかり目敏いのだから、腹が立ってしまう。
私は素っ気なく答えて広げられた品物を眺めた。
護り石、と言っていたか。
様々な色の石が、ペンダントやブレスレット、リングなどに加工されている。
でも、全ての石が程度は違えど白濁している。
私は首を傾げてヘリオトロープに小声で話しかけた。
「ね、なんでこの石、なんか白く濁ってるの?」
その声が聞こえたのだろう、ヘリオトロープが答える前に露店の主の女性が口を開く。


