黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


「今日俺はお前の付き添いだからな・・・そのくらいなら、付き合ってやる」

その言葉に目をぱちくりして立ち止まると前から不機嫌そうな顔が振り返ったので、慌てて夜風にはためく黒い外套を追った。


「わ・・・」

近づくとより目を焼く照明。耳を賑やかす歓声。密度を増す人混み。

全てにくらくらしながら必死にヘリオトロープを追う。

「待っ、はや・・・」

息切れに思わず声を上げると、ずっと前の方でヘリオトロープが振り返って、僅かに驚いたような表情を浮かべた。

「・・・そんなに遅いと思わなくて」

「すみませんね遅くて!でもっ、もう少し、他人に気を使ってもいいと思うよ・・・っ!」

呼吸を整えながら文句を言ってヘリオトロープを睨んだが、彼の顔を見て固まった。

傍目にはあまり表情は変わっていなかったけれど、酷く傷ついているように見えたから。

ヘリオトロープが無表情に目を伏せて呟く。

「・・・すまない」

「いや、別に、いいけど・・・」

びっくりして詰まりそうになりながらどうにか言葉を繋げる。

地雷、だったのだろうか。

少し申し訳ないことをしたなと思いつつも、同じ歩調で歩くようになったヘリオトロープの隣で居心地悪く身をよじる。

気まずいな、と何気なく視線をやった露店の前で足が止まった。