その瞳にむっとして声を上げる。
「あ、あのね!そもそもきみがこんな危ないことするから・・・っていうかどうやって着地したの!」
「ここ、王城の中だけど、いいのかそんなに声出して」
「!」
反射的に口を押さえると、ヘリオトロープははあ、とため息をついた。
「それに、今日来るんだろう“あいつ”が」
その言葉の響きに思わずばっと彼の顔を見やる。
「・・・きみ、何で知ってるの。というか、その言い方、絶対何か知ってるでしょ」
「俺じゃなくて、俺の主がな。お前には関係ない」
そう言いながら、ヘリオトロープは目線を合わせようとしない。
お前には関係ない、って。ずっとそればかりだ。
何かを隠しているのはわかるのに、全部靄の向こう。
私はフードの縁を引っ張りながら、こっそりため息をついた。
「・・・ねえ、ところでここからどうやって外に出るの?どうせ来た時も正面から入ってきたわけじゃないんでしょ。」
ヘリオトロープはちらりと私を見てから億劫そうに口を開く。
「どうやってって・・・さっきと一緒だが」
「え?」
さっきと一緒、と言うことは。
「ちょ、ちょっとま」
静止の声は間に合わず。ヘリオトロープ少年は私を抱えたまま駆け出した。
「待ってって言ってるのにー・・・!」
怖いのも相まって首を絞めるように腕に力を入れると、ヘリオトロープが顔を近づけ怒鳴ってきた。
「待てるわけないだろ、あとそれやめろ、不快だ」


