黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


「オレたちはお姫さんを見つけたら教える。でも向こうは決して手を出さずにここまで黙ってオレたちにお姫さんを連れてこさせる。ここでのお姫さんに対する用件が終わったら、引き渡す。

でも本当はオレらはそんなつもりじゃない。裏切るに違いないヒューマンを利用して、わざとディラン様を斬らせ、責任を感じさせてお姫さんたちに借りを作る!そしてお姫さんの力を利用する!

よりによってルクムエルク家なんて、一番ろくなやつがいない所じゃないっすか!」

「おい、ドゥケレ!」

「ああ、俺はドゥケレ“導くもの”だったっすよ、あいつらの!

でもやっぱり黙っとくなんて無理っす。こんな2人を引き裂くなんて・・・俺には無理っす!もう今更っすけど、お姫さんたちを餌にするなんて、できないっす・・・」

「・・・何を言ってるんですか。もう決めたことでしょう」

「それはオレの台詞っすよ!ディラン様がお姫さんの力を手に入れようとしているのは、大切な人との大切な時間を取り戻したいからだ、って言ってたじゃないっすか。

・・・だからオレはこんな面倒な仕事を引き受けてあんたに協力したんっすよ。それなのに、そんなあんたが、この2人を利用するんすか?」

ドゥケレの慟哭するような訴えに、ディランの微笑みの仮面が剥落する。無邪気を装った葛藤が顔を覗かせた。

呼吸を荒げるドゥケレに、ヴァンパイアの王は所在なさげに目を泳がせた。

「でも、こうするしかないんですよ・・・」

私の視線に気がついて、弁明するように呟く。その声には全く勢いはなかった。