黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


どうしたというのだろう。

そういえば、とヘルが声をあげた。

「お前、自分の仕事がしにくくなる、などと言っていたが、それと関係があるのか?」

ドゥケレはそんなことを言っていたのか。

でも、それと似たようなことは私も少し気にはなっていた。

『オレだってまだそっちの方が良心が痛まないっすから。』という意味深な呟き。忘れようにも忘れられない。

「・・・いや、何でもないんっすよ、本当に・・・」

さっと私たちから視線を逸らす彼の顔を見て、そんな言葉は信じられない。

「おい―――」

ヘルがなおも言い募ろうと口を開いたとき、私たちの間をびゅんっと物凄いスピードで切り裂いて、何かが通過した。

「・・・何が・・・」

私は地に刺さったそれを摘んで引き抜く。

多分、元は木の葉だ。それが指で挟んでも全く形が変わらないほどに硬く強化されて、投擲武器の機能を擁している。もし当たっていたらまず間違いなく刺さっていただろう。そう考えるとぞっとした。

自然を使役するという点ではエルフの仕業ではないかと一瞬思ったものの、エルフはこんな風に自然を捻じ曲げて力を使ったりしない。

こんな酷いことをするのは、できるのは、ヒューマンのBoostくらいだ。


そんなことを考えていると、また森の奥から同じものが飛来する。今度は5枚ほど。

ただ予期できていれば問題ない。ヘルが剣を抜いて全て撃ち落とした。

「一体、これは・・・!」

ヘルが困惑した様子ながらも舌打ちをする。

私も彼の背中に庇われながら、思案して顎に手をやった。

「今更、追手?今まで何もしていなかったのに。

・・・まるで私たちがここを通るのがわかっていて、待ち伏せしていたみたい」

もしそうなら、何故。