黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


今日、私たちは、ヴァンパイアの国―――ヴェルメリオ王国へ、行く。

最後のピースを、埋めるために。

「それにしても、一緒に部屋から出てくるなんて仲がいいっすね、お2人さん。昨夜はお楽しみっすか?」

先を軽い足取りでスキップするように歩くドゥケレがこちらを肩越しに振り返ってにやぁっと笑う。

その言葉に私たちは顔を見合わせて、吹き出した。

彼が期待しているようなことは何も無いけれど、今朝方までずっと話し込んでいた内容を思い返して、笑う。

「まあ・・・そうだね?」

「ああ」

ヘルも同じことを考えているのだろう。珍しく悪戯っぽい笑みを浮かべている。

2人だけの秘密を共有しているというのは、こんなにもわくわくすることなのだと。

そんな私たちを見て、ドゥケレは思いっきり変な顔をした。

「ええ、なんっすかぁ、オレは仲間外れっすかー」

大袈裟に悲しがってみせるものの、言葉とは裏腹にドゥケレの顔は明るい。

むすっと私たちに見せつけるように唇を尖らせてしばらく歩いていたけれど、あ、と声を上げて前方を指さした。

「この森を抜ければもうすぐそこっすよ」

そう言ってますます歩調を上げる。まるでさっさと国に着き、この任務から解放されたいかのようだ。

彼に従って森の中に歩を進めながら、私はドゥケレに笑った。

「確かに私たちの案内は面倒臭いと思うけれど、何もそんなに嫌がらなくっても良いのに」

冗談めかして言ったつもりだったのだが、笑って受け流すと思われたヴァンパイアの少年は至極慌てたように私を振り返ってぶんぶんと両手を振った。

「違うっすよ!あ、いや・・・」

声を張り上げて、でもそれから首も横に振る。