黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


「―――俺も」

しっかりと、私の手を握り締めた。


その瞬間、光が爆発する。部屋の闇が、散り散りになって、跡形も無く消えていく。

私とヘルの手の間から、じわりと、暴れる熱が、全身に巡って。

溢れ出た熱が、燐光になって、弾ける。

「これは・・・」

メルレアの時も、こうなったけれど。

あの時とは全然違う。私の身体も、震える。

ああ、身体がふわふわと、あたたかくて。

外套の中に潜めたブリギッドが、力の発動を感知してはっきりと熱を帯びているのがわかった。

「そっか、そういうことなんだね・・・母様」

この、あたたかさは。

「私の力は・・・こんなにも、優しかったんだね」

ヘルが私の黄金の瞳を見つめて、笑う。

「お前はやっぱり、このセカイの“希望”だよ―――アムネシア」

アムネシア。初めて私の名を呼ぶその声に、背を押されて。私は叫ぶ。

「さあ、セカイを壊しにいこう!

私と、きみと、このセカイの皆の、幸せを守るために・・・!」

私の瞳の奥には、もう輝く光が、見えている。

道標は、ここ“心”に。

「・・・ねえ、ヘル―――?」

さあ。

全ての後悔を、かき消すために。

最初で最後の、優しい優しい破壊計画を、きみとふたり、始めよう。



「・・・さあ、行きましょうっす、お2人さん。」

ドゥケレが弓を肩に担ぎ直して、宿屋のドアを開ける。

途端、朝日が私の目を焼いて、そっと目を細めた。

もう私もヘルも深く外套を着込んで、そしてヘルは眼帯も着けて、秘密を押し込んでいる。