黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


やっぱり・・・俺はそう思われて当たり前だよな、とヘリオトロープは笑った。はは、という乾いた笑い声が、暗い部屋に響く。

思っていた以上の壮絶なヘリオトロープの独白に、私は首を振るだけで何も言えなかった。

そして、私の頭に何かが引っかかる。

『人の夢に入り込み、』・・・夢に?

「・・・でもな、それだけじゃないんだ、それ以上に、俺は、」

ヘリオトロープが私の腕を掴んだ。縋るように力の抜けたその手に私は思考を止めて、はっと彼の顔を見る。

「お前の運命を―――ねじ曲げて、しまった」

「・・・何を、言ってるの?」

私が、ヘリオトロープに感謝はしても、そんな風に思う心当たりはない。

相変わらず私に目を合わせようとしないヘリオトロープの顔をのぞき込む。

紫と金のアンバランスな瞳が、揺れている。

「全ては・・・俺のせいだ。俺が生まれたから。こんな力を持っているから。俺がプレティラ様を外のセカイへと連れ出したから・・・お前は生まれた。

本来ならプレティラ様は今もエルフの国に君臨し、歪ながら不安定な均衡を保つこのセカイは崩れることは無かっただろう。

そして、お前がこんな風に、忌まれ、狙われ、追われることも―――」

その紡がれる、自分勝手な言葉に、私はふつふつと行き場所のない怒りがこみ上げるのがわかった。

そして、彼にここまで言わせるまで何も言えなかった自分に。

ヘリオトロープの手を無理矢理振りほどいて、彼をしっかりと睨む。そして振りほどいた手を、振り上げた。

ヘリオトロープが支えを失った手をふらふらと下ろして、私を見て顔をひきつらせた。