黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


外に出るともう夕闇が広がっていた。

東雲色が雲の向こう側から、少しずつ、少しずつ、太陽を押し退けて、のぼってくる。

そしてそのまた向こうからは、黒闇が。

「もうこんなに・・・時間が経ってたなんて」

ぼそりと呟くとドゥケレが反応して振り返った。

「もう日も暮れるっすね。危ないんで、今日はその辺の宿を借りるっすか?」

『借りる』。なんとなくその言い方に引っかかりつつも、私は頷いた。

昨日は一睡もしていないので、できればひと眠りしたい。

「・・・そうしたいな、いいよね、ヘリオトロープ?」

くるりとヘリオトロープを振り返ると、半歩後ろで不機嫌そうに、と言うよりもなんだか拗ねているように腕を組んで歩く少年はさっと私から視線を逸らした。

「勝手にすればいい。俺はお前がすることに従うだけだ。

・・・それにしても、気を許しすぎじゃないのか?敵だぞ、そいつは」

「そう、なのかな・・・」

あまり考えていなかった私は彼の言葉に少し距離を取るも、ドゥケレは楽しそうににやーっと笑って私の肩を抱く。

「あれあれぇ、お兄さん、焼きもちっすか?」

「・・・・・・は?」

ヘリオトロープはまるでそれが初めて聞く言葉ででもあるように、きょとんと呆気に取られた顔をした。

まあ、それはそうだろう。だってヘリオトロープが焼きもちなんて焼く理由がないから。

「と言うか、お姫さんとお兄さんって恋仲だったりします?じゃあ俺ってちょーお邪魔虫っすよね」

そんなヘリオトロープの間抜け顔を意に介さず、ドゥケレは、どうなんっすか、と私の顔をのぞきこんだ。

「いやいや、まさか。私たちは何でもないよ。ただの・・・」