黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


「そう・・・だね」

私は同意を示しながら、それを両手で受け取る。思った以上の重さにがくんと腕が下がって、慌てて力を込めた。

「これは?」

「開けてみろ」

ダイモスの不敵な笑みに促されて、私は恐る恐る指先で布の端を摘んで、広げた。

さらりと衣擦れの音と共に現れたのは、薄赤く発光する、艶やかな鞘。

昨日彼に預けたものとほとんどデザインは同じであるものの、半分ほどの長さになっていて私の両手で支えられるくらいだ。

「これ・・・昨日の」

「そうだ」

ダイモスはそう頷くと、私の手の上のその鞘の中から剣を引き抜いた。明かりに照らされるそれも、昨日までの面影は見る影もなく短く、そして刃が幅広くなっていた。

彼の手から、魔跡がくるりと走る。昨日よりも、色濃く、鮮やかに。

私はそれを呆然として見ながら呟いた。

「どうして、やっぱり折れた刃は直らなかったの?」

「いや、まさか。それくらいのことができないで店なんて出さんよ。わざと短剣にしたのだ」

ダイモスは心外な、とでも言いたそうに片眉を上げると、ヘリオトロープに視線をやった。ヘリオトロープは黙り込んだまま、でも微かに顎を引く。

それを確認した後、ダイモスは剣を鞘に戻して布を取り去った。そして私の手にしっかりと、それを押し付ける。

「これは、お前さんに」

冷たいはずの金属の鞘から、何故かじんわりと熱が伝わってくる。私はしばしそれを見つめた後、顔を跳ね上げた。

「どうして」

「お前さんの連れにはこの剣は必要無い。二刀流という訳でもなさそうだしな。

それに、顔には出しておらんかったが、あれだけの剣の腕だ。自分の力量にそれなりの自信はあるのだろう?こんな邪道な剣使いたくないだろうよ」

「・・・そうだな、必要無い。俺にはこいつがある」

ヘリオトロープは片頬を上げて、腰に触れる。