『“想い”は、何よりも、強い!
この世に要らないものなんてない、全て必要なものだけど、強い“想い”があれば何だってできる!
でも気をつけて。“想い”というものは、怖い。
良く考えて。その“想い”は誰のためなのか。
きっと大丈夫だと思うけど、きみは、間違えないで』
その筆圧からも感じられる彼女の“想い”の強さに、私は圧倒されて息を飲んだ。悔恨も、ずっと消し去ろうとしているはずの恋心も、そして、新しいセカイへの希望も。
その全てが、メルレアを変えたから。もう彼女は2度と間違えない。
でも、私はどうだろう?
・・・わからない、聞けば聞くほど、怖くて―――
あの塔にいた時にはほとんど動かされなかった私の感情は、慣れない胸の鼓動にまだ右往左往している。
私は、間違えないでいられるだろうか?
思わず胸をぎゅっと握り締めた。
メルレアがまるで子どもを見守るかのような優しい目で私を見上げる。
でも私と目が合ったことに気がつくと、また悪戯っぽくにやっと微笑んだ。
『じゃあ、いいこと教えてあげるね』
「・・・なに?」
『もし、迷ったら。1番きみをあたたかくするものを選んで。』
「そんなの、わかるのかな」
不安を隠しきれず震え声で尋ねる私に、メルレアが少しだけ砂浜の上で迷うように指を彷徨わせたけれど、結局書いたのは、
『さー、どうだろう?』
という素っ気ない文字だけ。
でもそれを消した彼女は、また指を動かした。
『そんな顔しないで。さっき私に、信じてって言ったきみはどこに行ったの?
大丈夫だよ、きみには目印になる人がいる!そうじゃないの?』
その言葉にはっとする。
そうだ、またどうして私は・・・すぐに逃げようとしてしまうの。卑怯な自分から変わるんだって、そう決意したはず。
ヘリオトロープと並んで歩くために。
そして、セカイを―――変える、ために。


