『それにしても、きみ、やっぱり話すことができたんだね?』
その言葉に私は諦めてため息を漏らしながら口を開いた。
「・・・ごめんなさい、あの時は嘘をついて」
『いいよ、仕方ないよね。いろいろ事情もありそうだし』
「やっぱり、メルレアも知ってるん、だ」
『当たり前だよ。あんな光の柱、見てない人の方が少ないと思うよ。それに情報はあちらこちらに出回っているみたいだし、知らない人って言うならほとんどいないんじゃないかな』
「・・・」
黙り込む私を見て、メルレアが少し逡巡してからまた文字を書き始めた。
『アムネシアスムリィ姫ってばエルフの血を引いているんだよね?きっとBoostが使えないのを隠そうとしていたんでしょ?』
私は砂浜が彼女の指によって削れていくのを見ながら青ざめる。
「なんで、わかるの・・・」
『んー、普通に考えたらそうかなって思ったんだよ。違った?』
「・・・違わない、けど」
私の様子に不思議そうに首を傾げる彼女に、私はこっそり喉を鳴らした。
そうだ、思い出した。
マーメイドはとても知能が高い種族。そんな種族をまとめているこの人に、私はひとりで立ち向かわなくてはいけない。気を緩めれば何かぼろが出そうで怖い。
メルレアに会うのは何もこんな時じゃなくても良かったのに。
・・・メルレアは、何故私に接触してきたのだろう。
『ねえ、アムネシアスムリィ姫?』
彼女が手を動かすごとに私はびくりと肩を揺らす。


