黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


言い含めるような言葉に、私はぐっと唇を噛む。

わかってる。幾度も聞いた。その言葉は様々に姿を変えて、何度も私に覆い被さってきたものだから。煩い、と頭を抱えて、耳を塞いでしまいたい。

そんなの知らない、と何も考えず思いのままに今ここで叫ぶことができたなら、どんなにも自分勝手で良いだろうか。

そんなことをしても意味が無いとわかっているけれど。

どんなに泣いても叫んでも、廻り始めてしまった運命は止まらないのだと、もう私は悟ってしまったから。

・・・なんて。


私はそんな風にわかったようなふりをして、でもその一方で、実際はそれを受け止めようとはしていない。

こうして旅に出ても、結局そんな肝心なところは卑怯なまま微塵も変わらない私。

それは、ことあるごとに突きつけられる事実。

ああ・・・嫌だ。

声を出すことができたってできなくたって・・・私は何もできない。

身体はもうこんなにも自由に外のセカイを歩き回れるのに、心はまだあの塔に閉じ込められたまま。

どうしたら、出てくるのだろう。

・・・心って、何なのだろう?

手を伸ばしても、どんなに手を伸ばしても硬く冷たい鉄の蔦に阻まれた―――憧憬“外のセカイ”には届かなかったあの時のように、どうしようもなくもどかしい。

1番大切なものを置いてきてしまったことに今更気がついたって、もう戻れはしないのに。

「・・・また明日、来てくれ」

私に背を向けたドワーフの長のその言葉が失望したような響きを含んでいるのを感じて―――

一体私は、どうすれば良かったの?