黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


そうだ。この剣は―――確実にセカイの理に反している。炎などの自然を自在に操る能力はエルフが持つもののはずで、そんな剣があること自体がおかしいのである。

「それなら・・・あなたは、どうしてそんな剣を作れたの?」

私が首をかしげたのを見て、ダイモスが軽く顎を引いた。

「そうなるだろう。だからこの剣は売る気はなかった。だが・・・情けない話だが、市場に武具を運ぶ時にいつの間にか混ざっていたようで、迂闊なことに落としてしまってな」

「落とした・・・」

彼の言葉を繰り返しながら記憶を辿る。

そういえば04と言ったか、元のこの剣の所有者は「いい拾い物をした」というようなことを言っていたような気がする。

「まあしかし、お前さんたちに拾われてここまで帰ってくるとは、不幸中の幸いか」

ダイモスがしみじみと呟くと、ヘリオトロープがそれを首を振って遮った。

「いや。俺たちが拾ったんじゃない。賊が持っていたものをたまたま頂戴したんだ。“焔の剣”だと言って振り回していたぞ」

その言葉にダイモスが僅かに顔を固まらせた後、顔を歪めた。

「・・・焔の剣、だと?そんな風情も何もない名で呼んでいたのか、この剣を・・・」

気になったのはそこなのか。

どうやらこの男は剣そのものや剣術など、剣に関わるものに感情を昂らせてしまうようだ。

クワオアが言っていたように頑固な職人気質そのものを体現したような人物で、好感が持てる。

ダイモスがはっとした様子で軽く頭を振った。

「いや・・・まあ、どちらにせよ、この剣がここに戻ってくるということはそういうことなのだろうな。

・・・これもまた、運命、なのか」