「・・・何?クワオア」
「もし、キミが、キミたちが行先を迷っているなら、あたしからひとつ提案があるの」
思ってもみなかったその言葉に私は思わず目を見開く。
クワオアはすらりとした指を伸ばした。指し示されたのは、鞘だけになって腰から吊り下がっている焔の剣。
「あたしが折ってしまったその剣。製作主を知っているから、修理してもらえると思うのよ」
彼女はそう言って“D”と刻みつけられた剣の銘を指先でなぞる。
「だからそこへ行ったらどうかと思うのだけれど、どうかしら?」
「ん・・・」
私は顎に手を添えて考え込む。
行先を決めてくれるのは嬉しい。だけど、剣を直しに行くだなんてそんなことをしている時間は私たちにあるのだろうか。
一体何をもってそうみなすのかもわからないけれど、“封印が完全に解けるまで”という時間制限。
その中でそれは、私たちに必要な過程?
「―――大丈夫よ」
「え?」
私の逡巡がわかったのだろうか、クワオアがふっと表情を緩めた。
「キミがいつかは会わなければいけない人なの、彼は。
だから、大丈夫。心配しないで。これはキミにとって絶対に必要な道のりだから」
「・・・」
ぼんやりとしたその言葉の真意を計りかねて私は黙りこむ。
でも、それでも彼女が揺るぎなく微笑みを浮かべていたから。私はこくりと深く一度だけ頷いた。
「わかった。その人に会いに行く。
・・・場所は」


