黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


自責の念に囚われながらその剣の歪に割れた断面を見つめていると、それに引き摺られて次々にそれと似た後悔のような感情が引き寄せられてくる。

色濃く脳裏に残っているのは、顔を歪めて強ばらせ宝石のような大きな黄金の瞳を激しく揺らす少女の顔。

零れた謝罪は、自分が無意識のうちに彼女に向けたものだったのか。


・・・あんな顔をさせるつもりではなかった。

プレティラ様が願っていた、俺が知っていてあの少女が知らないことを教えてやろうと思っただけだった。

彼女の思いも知らず自分勝手なことを口走る少女を腹立たしいとそう思って。

だから、できるかぎり淡々と言葉を並べていこうと思っていたのに。気がつけば、幾分か責めるような口調になってしまっていた。

それはつまり、そこにプレティラ様ではなく“俺”の感情が含まれているということで。

―――彼女に『生きていてほしい』と、いう。


いや、そんなこと、思うはずが。

・・・俺はただ、プレティラ様の最後の“お願い”のために、あいつを守っているだけ。

そうだ、俺がこうしてここにいることができているのは、ただ彼女のお陰なのだから。俺は、命を懸けて彼女の願いを叶えなければいけない。

あいつの望むセカイの終焉。それがプレティラ様の望むセカイの終焉であるのだから。

できる限り、それが美しくあるように。

俺はあいつがそこに辿り着くまで、守り抜くだけ。


・・・俺達の関係はそれ以上でもそれ以下でもない。

元々他人とずっと関わってこなかったのだから、適度な距離感というものがわかるはずもない。だから、このままでいいのだ。