黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


生温い液体に全身を包まれているような、不思議な浮遊感。

その感覚にゆっくりと目を開けた。

こちらを驚いた様子で見ている男達の顔がぐにゃりと歪む。何故かぼやけて焦点が合わない。

堪えかねて目を細めた時、ふわりと足が浮いた。

「ふぇっ?」

思いもよらなかった出来事に私は思わず手に持っていた剣を取り落としたけれど、それは地面にぶつかって音を立てたりすることはなかった。液体に包まれたまま、空中に浮遊する。

そのことに目を見張った瞬間、そのままぎゅんっと急激に上に体が引っ張られた。

「おい!しっかりしろ!」

ヘリオトロープの声がすぐ近くから聞こえて、彼も液体に飲み込まれていることに初めて気がつく。

「ヘリオトロープ・・・な、何これっ」

「わからないが、とりあえず窮地を脱したことは確かだ」

そう言って眼下を指さすヘリオトロープ。

そんな冷静な声を聞き流しながら、私はそっと腕を伸ばしてヘリオトロープの外套を掴んだ。

嫌な予感がする。ずっと上がったままなんてことはないだろう。

上がったなら、後は―――

手に力を込めたと同時に、胸の辺りがひゅっと変な音を立てた。

「っ、なああああっ」

私たちを包んでいた液体がぱっと消えて、落下。ただの垂直落下だ。

私たちの体が崖の下に落ち、男たちの姿が視界から消える。

「くそっ」

ヘリオトロープが空中で体勢を変えて、私の体を両腕で包み込んだ。私の盾になるように自分の背を地面の方向に向ける。