黄金の唄姫と守護騎士はセカイに愛を謳う


何かが体の奥からずるりと手を伝って剣に吸い取られるように感じる。なんだろう、この感覚は。

次の瞬間、私の目を炎が焼いた。

じりじりとその刀身から発せられるその眩さと熱気に、思わず腕を伸ばし顔を仰け反らせる。

「え、え・・・?」

男の剣と炎を纏った焔の剣ががきぃん!と音を立ててぶつかった。

ぶつかったといっても私は持っていただけだけれど。

押されたら私は呆気なく吹き飛んでしまうだろう。でも男は突如現れた炎に度肝を抜かれたのかあまり力を込めてこない。

「はぁっ!?なんだよこれ!炎とかありえねぇだろ!」

剣を当てたままの姿勢で困惑して喚き散らす男に、他の男たちが馬鹿にするような口調で笑った。

「お前なに脅えてんだよ!そんなの見掛け倒しに決まってんだろ!炎が出る剣なんてあるわけがねぇよ、炎を自在に扱えるなんて魔法が使えるエルフぐらいしかいねぇんだからな!」

ただ口ではそう言っているのに近づいてこようとする気配はない。

正面に立つ男がもう緊張感もなにもない様子で半泣きになっている。

「でもこの炎本物だぞ、普通に熱いし、なんか、刀身が変な音を立てているような・・・」

それは私も薄々思っていた。じゅ、というか、なんとも形容しがたい、何かが溶けるようなそんな音。

剣が溶け始めているのだと気がついた男が血相を変えて焔の剣から距離を取ろうとする。

男が力を緩めたその瞬間、彼の横腹を誰かが蹴り飛ばした。