その代わりに、ヘリオトロープの瞳を見つめ返す。
「私は、私がやりたいと思ったように、動いただけ」
私が噛み締めるように落とした声に、ヘリオトロープははっきりと瞳を揺らした。
「さっきは、気づいたら体が動いてた。きみを助けようと」
「・・・俺を、って。お前は、何にも興味無いんだろう。当然俺にも、な。今日も表情をはっきり動かしたのは、最初に1度笑った時だけだった」
苦しげに吐き捨てられる言葉に、私は驚いた。
自分としては、表情が変わっている自覚があるのに。そんなに、私は表情が乏しいのか。
「お前は・・・ただ守られておけばいい」
「そんなの!」
「さっきのことだって。お前が一言助けを求めて声を上げてくれれば、すぐに気づけた。どうして何も言わなかった。
どうして力もないのに、意味の無い行動をするんだ。素直に助けてと言わない?」
「だって・・・きみは、私のことを“関係のない”人だって言った。それに、別に私はきみに助けて欲しいなんて思ってない」
力なく睨む私の言葉にヘリオトロープはたじろいだ。
「言ったが!・・・今日は、お前の付き添いだと言っただろう。お前を守る義務が俺にはある」
「ほら、私を助けてくれるのは、義務だから、なんでしょ。・・・“私”を助けようとしてくれてるわけじゃない」
ぽろり、と本音が溢れた。
ヘリオトロープの言葉に、無性に腹が立ったのだ。結局は、他の奴らと同じではないかと。


