「・・・!」
動揺を隠す私に04が顔を近づけながら昏く笑った。
「面白くねぇから声ぐらい出せば?俺らはお前がBoostを使えないことは知ってるからなぁ、隠しても無駄だぜ?」
「え・・・」
発された言葉に頭が真っ白になった。
「・・・なんで」
「俺らの姐さんがなぁ、教えてくれたんだよ。
ああ、心配するなよ、言い触らしたりしねぇから。こんなとびっきりの情報、他に漏らしたりするかよ・・・」
04が舌なめずりをした。ぞっと背中に悪寒が走る。
「かわいそーな奴。自分の価値がわかってないんだもんなぁ」
「―――本当にその通りだな」
突然路地に響いた新しい声に、04は振り返りもせず短刀を投擲した。
きん、という音でそれが対象を捉えられなかったのがわかった。
私はぎこちない動きで、ゆっくりと振り返る。
「ヘリオトロープ・・・」
はあ、と軽く息をついてから、少年は紫の瞳を細めて薄く笑った。
「遅くなって悪かったな」
なんで、ここに。きみが。
言いたいことはあるのに言葉にはならない。
ただ首を振る。
ヘリオトロープはそれを見た後、男達を見据えた。
「俺が大切な人に任されてる姫様、返して貰ってもいいか」
「―――いいわけねぇだろうがっ!こいつはもう俺らのモンだ!」
私から少し離れた場所に立っていた09がヘリオトロープに向かって駆け出し、剣を引き抜いて。
何の躊躇いもなくその勢いのまま、ぶん、とヘリオトロープに横薙いだ。


