「限界なんです」と言った私に「何が?」とあくまでも単調に聞いてくる。

まるで他人事みたいに。

「貴方を愛せない」
「どうして?」
「困るでしょ?」
「俺が?どうして?」
「・・・知っていますから」

そこで初めて驚きの表情を見せた彼は直後に目を閉じ、小さな溜息を吐いた。

「正直、気にしないのではと期待していた」
「・・・ご自分が何を言ってるかわかって言ってるんですか?!」
「勿論。話さなかったのはまだ必要の無いことだと思ったからだよ」

この人はまさか公認で私と付き合う気でいたってことだろうか。

どうして最後の最後まで素敵な王子様の彼でいてくれなかったんだろう。