GUILTY of JUSTICE TARGET NO-01

確かに、今まで「笑ってるね。」

って言われたことはあった。

いや、笑ってるってしか言われなかった。

卒業文集も私に宛られたメッセージは、

気味が悪いくらいすべて同じ内容だった。

「笑顔で羨ましい」

「いつも笑顔で凄い」

「その笑顔尊敬する。」

「笑顔が太陽みたいで眩しっかたよ。」

どのメッセージも笑顔という言葉が後を絶たなかった。

もちろん、

「羨ましい」

「凄い」

「尊敬する」

「眩しい」

なんて言葉は本心ではないことは分かりきっている。

書かなくてはならないメッセージカードを長所で埋めるために選んだ言葉である。

『好きな言葉は笑顔です』

なんて言う人がいる。

私はそんな言葉は上辺だけでただ重荷でしかないと思う。

先生さえも言う、

『辛い時も笑顔でいるとその一日が少しでも軽い日になる。』

これも法螺話。

笑うことが辛い。

辛い時に笑うこと以上に辛いことはない。

辛い時は泣けばいい、叫べばいい。

人間の弱いところをクソみたいに吐き出せばいい。

いちいち、きれいごとを言う意味が分からない。

とは、言っているけど実際、自分は笑いっぱなしだ。

いつからだっけ?いや、泣いたことがないかもしれない。

ずっと笑っている。泣き方を忘れた。

笑うことが癖になっていた。

けど、初めてだ。

何か違う部分を見透かされている。

変な風に受け止められた。

笑うことの意味が少し違うように聞こえた。

ペテン師だから笑っているのは仕方ない・・。

自分が笑いたくないといっているのか。

笑いたくなくて笑っているのだろ?とでも言われているみたいだった。

「どうした、神崎。」

ボーッと考えていると炎道に声をかけられて現実に戻された。