『ありがとうございました!!』


最後のお客さんが出て行くのを見送って、一気に上に手を伸ばしながら体を伸ばす。



『お疲れ。風花』


『お疲れ様です、湊さん!』



同じく厨房にいた湊さんと一緒な店に出ると、片付けを終えた斎藤君と、圭さんと空君がちょうど制服のエプロンを外している所だった。




『風花さん、お疲れ様です』

『うん、空君もお疲れッ!』



ニコッと笑いながらそう言った空君に、ぎゅっと抱きつきながら答える。



毎度のことだからなのか、慣れた空君は焦らないで対応してくれるんだけど、湊さんは慣れないらしく。


『風花、そんな容易に抱きついてはいけません』



そんな事を言いながら、毎回空君から私を引き剥がす。


『風花ちゃんは、空のこと好きだよな』


『圭さん‼︎
圭さんの事も同じくらい好きですよー』





『よし、来るか⁇ 風花ちゃん‼︎』




ガバッと両手を広げて私を呼んだ圭さんに向かって、空君から離れて思いっきり突撃する。


倒れそうになりながら私を受け止めた圭さんが、頭を撫でながら口角を上げた。



『風花ちゃん、湊にも行ってこい』


『湊さん…⁇』