鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!




覚悟はしてたけど!!

バイトするんだし、休みはたまにしか無いだろうなって。


だけど、これは無さすぎるよ。


カレンダーにバイトの日付に丸をつけて時間を書き込んでいく。


……書きながら、テンションが下がっていくのは気にしないでおこう。



書き終えたカレンダーを見て、思わず苦笑いを浮かべる。



カレンダー1週間のうち、5個に丸…。


つまり、1週間に2回だけの休み。

いや、ね?
シフト表に、初めの1ヶ月はほぼ休みなしって書いてはいるけど…‼︎


これは酷くないですか、湊さん。



でもまぁ…1ヶ月だけなら大丈夫かな⁇

一応、平日と休日1日ずつに休みがある訳だし。



バイトだから仕方ないかー…。



カレンダーを壁にかけ直してカバンを拾い上げると、空いていたカバンからレシピ表が落ちる。



『あ…レシピ表』


それを拾おうと手を伸ばして拾い上げると、一枚の紙がヒラっと落ちていった。




……この紙何だろう?


手にとって中を見た瞬間、私の手の中から紙が再度地面にヒラっと落ちていく。


いや、仕方ない。
私が悪くない。

だって…‼︎


紙に、厨房の子は平日も来てねって書いてあったんだから。



『湊さんの鬼ーっ‼︎』



そんな私の叫び声が、家中に響き渡って、お母さんに怒鳴られた事は…言うまでもないよね。



折角湊さんに誘われたんだから。
明日から、頑張ろう!



そう意気込みながら、布団に潜り込んだのだった。