『ない頭で考えるな。爆発するだろ』
『ちゃんと脳みそ詰まってますっ‼︎』
バカにしたようにそう言った斎藤君に、思わず乗せられてまた突っかかってしまう。
『あ……またっ』
『お前学習能力ねえな』
まんまと引っかかった私を見て満足げな笑みを浮かべた斎藤君を睨みつける。
なにが冷酷王子なのさ、少し前までの私。
冷酷でもないけど、優しくもないっ‼︎
ただのドS野郎‼︎
……こうなったら、心の中でドS王子って呼ぼうかな?
自己満足だし、斎藤君へのダメージ0だけど。
『最後まで黙って送られてろ』
『……かたじけない』
ニヤッと笑いながら言った斎藤君に、負けを認めて頭を下げてみる。
『いつの時代の奴だよ』
まぁ、見事にツッコミとともにバシッと叩かれましたけども。
『でも、本当ありがとう』
改めて、私は斎藤君にそう言って笑みを浮かべて見せる。
なぜか、なにも言わずに私から顔をそらした斎藤君。
……斎藤君?
『斎藤君…⁇ 』
『何でもない』
いやいや。
何でもないってそんな顔そらされて言われても、説得力ないよっ⁉︎



