ただでさえ怖い男の子無理なのに、輪をかけて意地悪なんて。


どれだけ頭がよくても顔が良くても、格好良いとは思えないんだよなぁ……。



『そう言えば、風花。
私の彼氏の名前くらいなら、覚えたわよね⁇』




恐る恐るとでも言うようにそう聞いてきたみっちゃんに大きく頷いてみせる。





『中嶋真翔君でしょ⁇
私のみっちゃん奪った相手だから、ちゃんと覚えてます‼︎』





右手を上げてそう宣言する私を、冷めた目で見つめてくるみっちゃんから目をそらす。




『それは酷くねー⁇ 風花ちゃん』



手を下ろした私に、聞きなれない声がかけられて思わず後ろを振り返る。




後ろにいたのは、たった今までま話していた中嶋真翔君で。




中々の近さにいた真翔君に驚いて、距離を取るためにみっちゃんの後ろに隠れる。



『真翔……と、冷酷王子さん?』



みっちゃんの背中からそーっと顔を覗かせると、確かにそこにいたのは2人。


そのうちの1人である、冷酷王子…斉藤昴君と目があって慌ててみっちゃんの背中に引っ込む。





やっぱり怖いよ、斉藤昴君‼︎



みんな、あんな怖い人のどこを見て格好良いって言ってるの⁉︎