『……真白』


『あっ、斎藤くん!』




鐘がなってしばらく経った同時に、中嶋君と一緒に斎藤くんが教室に来ていた。



…実は、これがいちばん嬉しかったり。



中嶋君の隣にいるのが斎藤くんって感じだもん。


多分、私はみっちゃんが必要なように、きっとこの2人もセットみたいなものだと思って。




『斎藤くんもバイト?』



『ああ。真白もだろ?』



斎藤くんの言葉に元気よく頭を振ってみせる。



そんな私を見た少し口角を緩めた斎藤くんは、行くぞと言って先に教室から出ていった。






え…? 置いていかれたんだけどッ!


私、何も準備してないのに‼︎





慌てて机のものをカバンの中に突っ込んで、ニヤニヤしているみっちゃんと中嶋君に手を振ってから教室を飛び出した。




『遅えよ』



『斎藤くんが速いんだよ⁉︎』