鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!






手の甲で涙を拭って、にっこりと笑ってみせた。

けど、その笑顔すら、みっちゃんの眉間のシワを深くする。



『なら、保健室じゃなくていいわ。
中庭にでも行きましょう?』



『……うん』


余りに心配するようにそう言ったみっちゃんに頷く。



まさか、あんな場面を見るなんて。
私…ついてないなぁ……。


『で…何があったのよ?』



真剣な目で私を見つめてくるみっちゃんに、止まったはずの涙が、一粒一粒…と、頬を伝って地面に落ちるのを感じた。



『飛鳥…ちゃんが、斎藤くんに……っ』



そこまで先を言うことが出来ず言葉に詰まる。


そんな私を見て、みっちゃんはまるで、もう良いと言うように優しく背中を撫でてくれた。



『私…嫌な奴だから』



泣いているせいで、一言一言話すのが難しい。


そんな私を分かっているのか、みっちゃんは黙って話を聞いてくれた。



『2人が両想いなの、祝ってあげれば良いのに……』


自分だって見たじゃない。文化祭の日。


2人で楽しそうに笑っていたのを。



あれを見て、私はどう思った?