素直に伝えてみようと心がけるまでもなく自然と出てきた言葉に、自分自身驚いてしまった。
自分が驚いているのなら、もちろん水門も驚いているようで。
少しの間に、細かい瞬きを繰り返しながら俺を見つめた。
『……それは、本当なのね?』
『当たり前だろ』
俺の言葉が期待した言葉ではなかったのか、聞いた水門は、悲しそうな、でもどことなく嬉しそうな表情を浮かべていた。
『……中庭』
『ん…?』
『中庭に、1人でいるわよ。
もしかしたら、誰かに取られるかも知れないわね』
俺を試すかのように口角を上げた水門の言葉を最後まで聞く前に、中庭に向かって走っていく。
……ごめん、飛鳥。
俺、やっぱり真白が好きだ。
___『誰かに取られるかも知れないわね』
さっきの水門の言葉が頭の中でリピートされ、足を動かすスピードを速めた。



