鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!





1つ軽いため息をついて、最後のケーキに取り掛かろうとした時だった。



イキナリ扉が開き、誰かが中に入ってくる。



『風花、お疲れ』


その誰かが、優しい笑みを浮かべた湊さんだということに安心して、私もお疲れ様ですと笑みを返す。



『まだ作ってる途中?』


『あ、はい。

これで最後なんですけど…作った物が大量に…』



私の所に来る途中、机の上に置かれたスイーツの中から、手前にあったケーキを、湊さんが頬張る。



『湊さん⁉︎ 美味しく無いと思いますよ‼︎⁉︎』



イヤイヤ。少なくとも、湊さんのレシピだから美味しいとは思うけど!



それでも、やっぱり私が作ったやつだし…ね?




『……風花』




ウロウロしていた私は、湊さんの声で動きを止めた。


ほら、どうしよう?


やっぱり美味しくなかったんだよ。



『あの、湊さんすいません!』


頭を下げてそう言うと、頭上からクスッと笑った声が消えた。



『なんで謝るの?

これ、美味しいって言おうとしたんだけどな』