教室のドアの前で俺を呼んだ飛鳥に、真翔を見る。
俺と目があった真翔が頷いたのを見て、椅子から立ち上がった。
『……何?』
『ちょっと話したいことがあって…空き教室行こう?』
『…分かった』
チラッと背後に視線を向けて、手を振っている真翔が視界に入ったのを確認して答える。
どうせ、後で水門のところにでも行くんだろ。
『良かった! じゃあ、行こう?』
安心したような笑顔でそう言って歩き始めた飛鳥の横に並ぶ。
空き教室は、俺たちのクラスと真白のクラスの丁度真ん中に位置しているけど、ギリギリ教室の中を見ることはできなかった。
『……で、話ってなんだ』
空き教室に入ってドアを閉めた飛鳥にそう聞く。
そんな俺の言葉を聞いた飛鳥は、何かを決めたような表情で一度深呼吸をした。



