斎藤君の背中を押しながら、厨房から出て行った湊さんの後ろ姿を眺めて、思わず首を傾げた。
……さっきの湊さん、少しおかしかったよね?
まぁ、私が気にしてもわかんないとは思うけど。
あまり考えないように気を取り直して、あらためてレシピと格闘する。
色々あるけど…写真付きのレシピって事が、湊さんらしい。
出来るだけ早く覚えようと、急いで手を動かして一品一品作り上げていく。
作っているスイーツを見ても、見慣れたスイーツのハズなのに、初めて見るレシピばかりで少しびっくりしたけど。
多分、湊さんが試行錯誤しながら考えたんだろうな…なんて思って、思わず笑みを浮かべる。
だって、湊さんならそうしそうだもん。
想像しやすいから面白いんだよなー…。
『……よし! やっと最後だ!』
急いで作り上げたスイーツ達を見渡して、意気込むようにそうつぶやく。
全部美味しそうなんだけど、私が作ったやつだから、お店に出すわけでもなく。
…この量を、まさか1人で食べろなんて言わないよね⁇ 湊さん。
そう言ながら、私に向かって微笑む湊さんが想像できることに苦笑いを浮かべる。
有り得ない、なんて。
言い切れないしね?



