そう言って感心したような笑みを浮かべた斎藤君から、目を反らす。
何でしょう、今の笑み。
いきなり、そんな笑み見せられても目を向ける場所に困るの!
心の中で斎藤君に八つ当たりしながらも、次のケーキを作るボウルに材料を用意する。
『昴ー? ウェイターの君が、どうして厨房にいるのかな?』
そんな声のした方を見ると、腕を組んで呆れた表情を浮かべた湊さんが居て。
いきなりのことに驚いたせいで、握っていた卵をボウルの中に落としてしまった。
『あー…風花。やっちゃったね』
そんな私に近づいてきた湊さんが、ボウルの中で割れた卵の殻をつまんで微笑む。
『すいません…湊さん、私片付けるので大丈夫ですよ?』
ボウルの中から卵の殻を取り除いていく湊さんにそう言うと、湊さんは大丈夫と言って殻を全て取り除いていった。
『ありがとうございます』
笑みを浮かべなら湊さんにそう言うと、うっすらと顔を赤らめた湊さんが、何かを誤魔化すかのように背中を向けた。
『じゃあ、風花。
大変だと思うけど、よろしくね?
昴はウェイターなんだからサボってないで店に出る』



