例えばそれが、尋常じゃない量のレシピを覚える事でも、私は頑張りますから。
『了解です! 湊さん』
笑顔で湊さんにそう答えて、厨房の中に入って早速一枚目のレシピを開く。
……これならいけそうかも。
手順を見ながら、丁寧に作っていく。
このカフェは、どちらかといえばスイーツ系統のカフェだから、スイーツ系のレシピが多いのかも…。
出来上がったケーキを見てホッと息をついた後、レシピをザッと見ながらそう考える。
『……これ、お前が作ったのか?』
『ひょわっ⁈』
『ひょわって何だよ』
慌てて後ろを振り向くと、スゲー声だなと笑っていた斎藤君と目があう。
だって、斎藤君がいきなり後ろに現れるのが悪いよ!
私、悪くないよね?
『意外』
『ん? 何が?』
『真白が料理できる事。
何でもできるんだな』
さすが学園のお姫様、だなんて冗談を含めた声色で言った斎藤君が、さっき作ったケーキに手を伸ばす。
『ちょ…斎藤君⁇』
私が止めるのも聞かず、ケーキは斎藤君の口の中へ……。
『……中々美味いじゃん』



