『説明するからついてこい』
ぶっきら棒にそう言って、お店の方へと歩いて行った斉藤君の後を慌てて追う。
『…ウサギみたいだな、お前』
慌てて駆け寄った私を見てそう言った斎藤君に、意味がわからずに首をかしげる。
私がウサギ⁇ 人間だし、尻尾ないし…。
ウサギの要素ゼロだと思うんだけどな⁇
『分かる訳ねえ…よな。
説明するから、聞いとけ』
呆れたようにため息をついた斎藤君は、切り替えるようにそう言って、1つ1つ仕事内容を教えていく。
『……レジ打ちは、慣れれば大丈夫』
最初は手伝ってやる。と言って少し口角を上げた斎藤君から、思わず目線をそらしてしまう。
私、今なんて思った?
カッコ良い…とか思ってないよね?
相手はあの斎藤君だよ?
顔はカッコ良いけど‼︎ 言葉遣い悪いし、怖い斎藤君だよ⁉︎
『……真白?』
『へ? あ、ごめんごめん!!
続けて?』
1人の世界に入っていた私をみて不思議に思ったのか、顔の前で手を振りながらそう言ってきた斎藤君に、慌てて我に帰る。
何考えてるんだろう、私。
相手は斎藤君なんだから。
一時の、気の迷いだよ。



