『後ずさるな』
『斎藤君が近づいてくるのが悪い‼︎』
威嚇するように睨みつける。
なぜか、そんな私を見て笑い始めた斎藤君を見て、眉間にしわを寄せる。
『……なんで笑ってるの?』
『お前、猫か。威嚇しすぎ』
睨まれても怖くねえよ。と言って近づいてきた斎藤君から、今度は逃げずに首をかしげる。
猫?
私って、猫なの?
今のは別に、斎藤君が何か良からぬ事を企んでそうだから睨んだんだけど…それって、猫なの?
『考え過ぎ。
そこまで深い意味はねえよ』
『……斎藤君って、変な人だね?』
『お前には1番言われたくない言葉だな、それ』
『それって、絶対私の事、変な人って言ってるよね⁉︎』
『変な奴だろ。お前は』
何を今更なんて付け加えた斎藤君に言い返そうとして、思わず固まる。
待って。また、私乗せられてる…?
『〜〜ッ! 私の馬鹿!』
『やっとかよ』
見事に斎藤君の口車に乗せられて、いつもみたいに言い争うところだった!
私、生クリーム作ってたんだよ⁉︎
絶対溶けてる!
…じゃなくて、溶ける前にスポンジに塗らないと…。



