それじゃあ、中嶋君が奥手な原因って、みっちゃんにもあるんじゃ…?
『……また百面相』
『わっ‼︎ 百面相…⁇』
斎藤君の言葉に慌てて顔をペタペタ触ると、そんな私を見て何故か斎藤君が笑った。
うん? なんで笑ってるの、斎藤君。
笑うところなんてなかったよね!?
『このショートケーキって、お前が作ったやつだろ?』
『う…ん。一応、お願いされちゃったし』
作り置きのケーキがまだどれ位残ってるかはわかんないけど、みっちゃんにも手伝ってもらって沢山作ったんだよね。
一応、ショートケーキ担当だったし。
『やっぱりな…似てるし』
『いつものやつに?』
『……ああ』
そう言って、再度メニュー表を取った斎藤君が、未だにみっちゃんと言い合いをしている中嶋君に向き合う。
『真翔』
『今取り込み中‼︎ ……て、昴?』
名前を呼ばれて振り返りざまにそう叫んだ中嶋君に、斎藤君が眉間にしわを寄せる。
これ、もしかして険悪な雰囲気ってやつだよね?
中嶋君、絶対斎藤君怒らせたよね?



