『何探してんの?』
『中嶋君。みっちゃんが喜ぶと思ったけど…一緒じゃない?』
『ああ…真翔か。
あいつなら、既に水門の所にいるだろ』
同じように少し辺りを見渡した斎藤君の視線の先を追うと、入り口付近で立ち話している中嶋君とみっちゃんを見つける。
あ、本当だ。
中嶋君、ああ見えて抜かりがないね。
みっちゃん中々人気だし、先に取っとかないとバンバン指名されちゃうよ。
『昴〜、俺の席も取ってくれたの⁈』
『たまたま2人用だっただけだ』
みっちゃんとこっちに向かって歩きながらそう言って笑った中嶋君に、斎藤君が舌打ちを隠さずそう返す。
『たく…照れないでいいのによ?』
『調子乗るな』
『昴はいつまでたっても毒舌だよなー』
いつまでたってもこの2人の会話が面白いと思うのは、多分私だけじゃなくてみっちゃんもだと思うけど。
『とりあえず、注文してね?』



