私達の言葉に驚いている中嶋君を引っ張って、メニュー表を片手に持った斎藤君は、呆れた表情で戻っていった。



『……真翔って、馬鹿よね?』



『私が言うのも失礼だけど、少し思ってしまいました』



前々から思ってたんだよね…実は。

いつも冷静な斎藤君と一緒にいるせいか、余計に馬鹿さが目立っているというか…。



『あれ、風花来てたんだ‼︎
俺今休憩終わってさー。
どう? 中々似合ってるだろ〜⁇』



突然呼ばれた名前に振り返ると、少し驚いた表情の葵がクルッと一回転しながらそう言った。


『……中嶋君もだけど、葵も相当かも…』



『俺と真翔⁇ 風花、それ何の話?』



私の一人言に突っ込んできた葵を適当にあしらって、改めて葵を見てみる。


…さすが、第一印象チャラ男だっただけあって。

どこかぎこちなかった斎藤君と、もはや執事になっていた中嶋君とは違って、葵は本当のホストみたいだ。




『ホストっぽいね、葵』


『……ん? 普通は喜ぶところのはずだけど、喜べないのは何でだ?』