『俺と付き合って』



知らない男の子に呼び出されたかと思ったら。


そう言っていきなり目の前で勢いよく頭を下げた男の子を見て、思わず固まる。





付き合ってって、別にそれはいいんだけどね?


私じゃなくても、仲のいい女の子とかにお願いすればいいと思うのは、私だけかな?




『うん、良いよ‼︎

お母さんの誕生日プレゼント⁇』




『……ん?』




私の言葉に顔を上げた男の子が、驚いたような声を上げる。



えっと……聞こえなかったかな?



『お母さんの誕生日プレゼントとか、選びに行くんでしょ?』




それかお姉さんとかッ!

もしかしたら、彼女さんかも?


だって、女の私に付き合ってて言うくらいだからね!
それなりに、仲の良い人へのプレゼントとかだと思うし‼︎


私って天才じゃない?




満面の笑みでそう言った私を見た男の子は、なぜか、苦笑いを浮かべて私の前から走り去って行った。



『……何だったんだろ?』





泣かせた男の数は数知れず。


学校の半分以上に告白されたのにも関わらず、天然ぶりを発揮して男を泣かす彼女につけられた名前は、【鈍感ちゃん(少女)】



さっきの男も良い例で。



鈍感ちゃん…こと、真白風花に告白らしい告白をできた男は、数少ない。