憂鬱な日々と人間関係。

那月希side

今は2限目の授業が終わって休憩時間。
そして、高校に入学して、ちょうど1ヶ月が経った。
所々に5人グループや3人グループなどが
何個か出来てる。

私はそんなグループ作らない。
だって人間関係が嫌い。特に女の人間関係。
女の人間関係ほどめんどくさいのはないと
私は思ってる。だから、一切関わらない。

世にいう“一匹狼”というもの。

別に一匹狼でも構わない。
人となるべく関わりたくないから。

そういえばまだこのクラスの人と喋ってない気がする…。
私は、セミロングの黒髪を指先に巻き付けながら
そんなどうでもいい事を考えていた。

「なぁなぁ!雅紀!!お前3組なんだな!」

私は大きな声がして反射的に窓の外をみた。
多分、他のクラスの人。
“雅紀”というのは私の後ろの席の
“市原 雅希”(いちはら まさき)のことで
このうるさい男は市原という人の友達か幼なじみだろう。
市原という名前は席が前後なだけあって
嫌でも覚えてしまう。

そして、明らかにこのうるさい男は他のクラスだ。
少し静かにしてほしい……。

私は、睡魔に負けて目を閉じた―――




雅希side

だるかった2限目の授業も終わり、自由な時間。
高校に入学してやっと1ヶ月が経った…という感じ。
正直学校はめんどくさい。だって憂鬱だから。
俺の学力は多分この学校の中では高い方だと思う。
スポーツも出来る。

ただ俺は、バレーボールで選ばれてここに来た。
バレーボールは熱心に打ち込む方じゃない。
たかが部活にどうして打ち込む必要がある?
ただの暇つぶしにしか俺は思えなかった。

あとはこの身長がダメと俺は思う。
この190cmあるこの身長はバレーボールにとって
貴重な身長でもあり戦力になる。
そんなどうでもいいことを考えながらウトウトしていた……。

「なぁなぁ!雅紀!!お前3組なんだな!」

俺は、聞き慣れた声がする窓の外に顔を向けた。

「よっ!!!」

そう言って片手をあげるこのうるさい男。
“佐野 蒼”(さの あおい)は小学校の頃から同じで、
俺にはあと2人仲のいい奴がいる。
あいにく、蒼含む3人とは同じ高校でも別々のクラスになってしまった。

「蒼…うるさい、少しは静かにしろよ。」
「なんっだよ!つれねぇーな!!本体寄こせ!
あとちなみに俺は1組だぜ!」
「おいっ……!」

そう言って俺のメガネに手を伸ばす蒼。
コイツは昔っから俺のメガネを本体と言う。
メガネが本体ってなんだよ……。

キーンコーンカーンコーン――

「ほら教室に戻れ」
「ちぇー……」

しぶしぶ教室に帰る蒼の背中を見ながら、俺は目を閉じた―――