一年棟と着き、教室を探る。
と、言ってもなにも手かがりはないし、顔だってそんな覚えてない。

こんなんで見つけられるのだろうか。
って、本心はそう思ってるけど、みんなに見られている以上、笑顔で手を振らないといけない・・・。


「なんで、僕が見ないといけないの?」

「いいじゃねぇかよー」

「やだ!」


教室からだろうか。
元気な、男子の声・・・。

聞いたことのある声だ・・・。

もしかして、あの人かな。


「しず!?」


私はいつの間にかその声を辿り、走っていた。
はぁはぁと息を切らしながら突き当りの教室まで来てしまった。

やっぱり、違うか・・・。


ガラララ


突き当りの教室のドアが開く音。

唐突に振り返る。

知っている人、という感じの人がそこにいた。


「やっと、見つけた!」


私は小走りで走ってった。