私んちの両親はいるけど、いない。

まぁ、特に家族を思えるのは母。

父とは私がちっさいときに離婚。
そのときはすごくもめたらしい。

あんな、温厚な母が起る訳ない、と思いながら、箸を進めていく。


「でさ~、しずちゃん。彼氏できたの?」

「ブフォ!!ちょっ・・・!」

「おぉい、しず・・・きったねぇ・・・学園のマドンナがすることじゃねぇよ」

「あんちゃんは黙ってて!」

「で?で?どうなの?」

「まぁ、できたかな・・・」

「おめでとう!だから、今日、あんな本買ってたのね」

「え?なんの本?」

「料理の本よ~、だってさ、ほら、しずちゃん。料理だけは破滅的だもんね~」

「う、心が痛い・・・」

「よかったな、しず!」

「う、うん・・・」


ちょっと、家族に言われるのは嬉しい・・・。